7月某日
誰かにちぎられて放られたり、そのまま落ちて土に還ったり出来る。
しかし人はどうだろう。ぐったりとうなだれ、もはや腐り始め咲くことは困難であったとしても、
誰も茎をちぎって放り投げてくれやしないし、そのまま落ちて土に還れるという約束も無い。
人の人生のなんと残酷な事だろう。
この生かされている感覚は、拷問にも似た無慈悲さだ。
いっそ全身がカラッカラに渇いて、握ればパラパラとパン屑のようにこぼれ落ちてくれれば、
もう何も、悔いなんて残りやしないのに。