いつものお決まりの、程よく空いているカフェに久しぶりに来た。家に引きこもっているか、もしくは少なからず仕事をしていたので、
しばらく足を運んでいなかった。
夕方6時過ぎ、仕事帰りだろうか、思ったより人がいる。
一番奥の暗い席が空いている。リュックを放り投げてカウンターへ、アイスラテを頼みに行く。
ザワザワと、不快でも安心でもない雑音が続く。店員は1人で切り盛りしている。手際の良さと、愛嬌の良さがとても好印象だ。
長年、接客業をしてきた性か、どこへ行っても接客態度は気になって目を鋭くしてしまう。何か文句が言いたいわけでは無いのだけれど。
6月が終わる。これほど時が無駄に過ぎたと感じる半年は、生まれて初めてだと思う。この1年くらい、そうかも知れない。僕という人間は前進を続けているけど、きっと望んだ形では無いので、純粋に納得がいかないのだろう。
梅雨が続く。僕の生活も梅雨のごとく、曇ってジメジメと気だるいままだ。カラッとした眩しいほどの、晴天は訪れるだろうか。乾いた汗の清々しい匂いのする、落日は訪れるだろうか。
時は無情にも、季節を推し進めて行く。
押し出されるように僕も、ずるずると前へ追いやられる。擦り傷はきっと、大したことは無い。雨が降れば、全て流れ落ちるから。