-PAGE-

2022年6月11日土曜日

Windows.4


 

 なんてことのない、仕事の帰り道。

 半分ヤケクソな気分で、片手に愛機のGR1Sを持ち、

何を思ったのだか、何故撮ったのだか、記憶にも残らない一枚。


 カメラのデイトは壊れている。デタラメな日付を

勝手に刻印する。その無意味さもまた、味付けに似た

香りを忍ばせて写真をより一層嘘っぽくさせる。


 何かが反射している。何かに反射している。

物体的で物理的な反射に、精神的な内面の射影を重ねる事は

安易であろう。そこには何も写り込んではいない。

主題の不在。不在の一枚。


 しかしまた、こういった一枚の方が、

むしろ閲覧者の目を引いたりするから興味深い。

撮影者にとっては、どうだっていい、肩についたチリのようなもの。

しかし、反応が見られたりするのは、本当にいつも理解に苦しむ。


 そのギャップを埋める作業は、写真作家に与えられた責務なのか。

そんな疑問を片隅に、またそのうち、気が向いたら、

夜に写真を撮ろう。

夜は良い。

あまり撮った事もないし。

先生も良いって言ってたし。

まあ、なんでもやればいい。

所詮は、写真、記録でしかないのだから。

デタラメに刻めば良い。



0 件のコメント:

コメントを投稿