なんてことのない、仕事の帰り道。
半分ヤケクソな気分で、片手に愛機のGR1Sを持ち、
何を思ったのだか、何故撮ったのだか、記憶にも残らない一枚。
カメラのデイトは壊れている。デタラメな日付を
勝手に刻印する。その無意味さもまた、味付けに似た
香りを忍ばせて写真をより一層嘘っぽくさせる。
何かが反射している。何かに反射している。
物体的で物理的な反射に、精神的な内面の射影を重ねる事は
安易であろう。そこには何も写り込んではいない。
主題の不在。不在の一枚。
しかしまた、こういった一枚の方が、
むしろ閲覧者の目を引いたりするから興味深い。
撮影者にとっては、どうだっていい、肩についたチリのようなもの。
しかし、反応が見られたりするのは、本当にいつも理解に苦しむ。
そのギャップを埋める作業は、写真作家に与えられた責務なのか。
そんな疑問を片隅に、またそのうち、気が向いたら、
夜に写真を撮ろう。
夜は良い。
あまり撮った事もないし。
先生も良いって言ってたし。
まあ、なんでもやればいい。
所詮は、写真、記録でしかないのだから。
デタラメに刻めば良い。
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