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2022年6月6日月曜日

Windows.2


 今日は少しばかり文字を読みすぎた。

頭がいたい。

 この写真に写るのはどこかの人の影ではあるが、

それが、この人が確かにここにいたという証拠には

写真はなり得ない。

 なぜなら、写真は嘘だからだ。

 被写体とカメラ、撮影者がいて初めて写真は生まれるが、

プリントになる過程は様々だ。

 デジタルの発達により、それらはより複雑で無限になった。

 僕が記憶しているものですら、無い。

 ただ、撮影済みのフィルムロールと、現像されたネガ、

美しきベタ焼きと、それをスクリーンショットしたスマホデータが

あるだけだ。それだけだ。


 ああ、写真とはなんと弱く儚いだろう。

その脆さにもはや10年以上も惹きつけられ縛られている

愚かに囚われた人間、自分という幽霊。

 いつまで続くのかも分からない、この旅とも言えぬ

頼りない放浪。

 それでもまた僕は街をほっつき歩き、

 何かにか向けてシャッターを切るのだろう。

 無駄であることを、これ以上なく分かっているのに。
 


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